二階堂の傾斜地に段状に建つ二世帯住宅『杜の階段』の外観
House(二世帯)|鎌倉市二階堂|2024

杜の階段

高低差三メートルの難敷地を、欠点ではなく主役に。
一段上がるごとに杜の見え方が変わる、
立体的な暮らしの二世帯住宅。

所在地神奈川県鎌倉市二階堂
家族構成親世帯2名+子世帯3名(二世帯)
構造/規模木造2階建(スキップフロア)
延床面積148.7㎡(45.0坪)
敷地面積231.0㎡(69.9坪)/高低差約3.0m
設計期間約9ヶ月
工期約11ヶ月
竣工2024年9月
Owner's Request

施主の要望

ご実家の建て替えを機に、親世帯との同居を決められた大隈様。土地探しの段階からのご相談でしたが、ご予算に合う平坦地はなかなか見つからず、最後に残ったのが「三メートルの高低差がある」と複数社に断られた二階堂の敷地でした。

「正直、最後の選択肢でした。でも深美さんだけが『この高低差こそ面白い』と言ってくれた」。ご要望は、親世帯と子世帯がほどよい距離を保てること、そして「鎌倉らしい静けさ」を日々感じられること。二つの世帯をどう繋ぎ、どう切り離すかが設計の鍵でした。

高低差を埋めて平坦にするのではなく、地形に沿って床レベルを四段に分けるスキップフロア構成としました。半階ずつずらすことで、親世帯(下段)と子世帯(上段)は階段で緩やかに分かれ、それでいて吹き抜けを介して声や気配は届きます。「会いに行くほどでもない、でも独りでもない」距離感です。

中心に据えたのは、家を貫く木の大階段。一段上がるごとに窓の高さが変わり、見える杜の表情が移り変わります。子世帯のリビングは最上段に置き、隣家の屋根越しに二階堂の緑を独り占めできるようにしました。

造成費を抑えるため、擁壁は最小限とし、地盤の段差をそのまま床高として活かしています。「断られた高低差」が、この家の一番の個性になりました。

Design Solution

設計の工夫

高低差を「埋める」のではなく「住みこなす」。地形を読み替えた四層のスキップフロア。

「傾斜地でどこも断られた土地でした。深美さんは『高低差こそ面白い』と。階段を上るたびに景色が変わる家になりました。」

— 大隈 様

「難しい土地」ほど、
ご相談ください。

狭小・傾斜・変形地。条件が厳しい敷地ほど、設計の腕の見せどころです。まずは敷地を見せてください。